お役立ち情報貸借対照表(BS)の見るべきポイントと必要性の解説

2018.07.13


はじめに

決算書には損益計算書や貸借対照表などがあり、それぞれ会社経営に必要な情報が記載された重要なものです。損益計算書は利益を計算するものとしてわかりやすいかもしれませんが、貸借対照表がどのようなものかきちんと理解できていますか。ここでは、貸借対照表とは何か、なぜ必要かなどについて解説していきたいと思います。

▼目次

貸借対照表(BS)とは

貸借対照表とはバランスシート(BS)とも呼ばれ、ある時点での会社の財政状態を表すもので、大きく分けて資産・負債・純資産の3つの要素からできています。
この3つの要素は、会社がどのように資金を集めてきて(負債・純資産)、その資金をどうやって運用しているか(資産)という関係になっています。よって、負債と純資産の金額を合計すると必ず資産の金額と一致します。

資産

資産は集めてきた資金がどのような状態にあるのかを表すもので、流動資産・固定資産・繰延資産に分けることができます。

貸借対照表上は、原則として現金化しやすい順に並んでいます。
流動資産は主に決算日から1年以内に換金可能な資産をいい、現金預金・売掛金・棚卸資産などがあげられます。
固定資産は1年を超えて利用、保有される資産で、さらに有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産の3つに分けられます。

有形固定資産…モノとして存在している土地・建物・車両運搬具・機械など
無形固定資産…ソフトウェア・営業権・特許権など
投資その他の資産は、長期保有の有価証券や長期貸付金など

繰延資産は少し特殊な資産で、その支出の効果が1年以上に及ぶもので本来は費用計上されるものを一旦資産に計上されたものをいいます。会社法上は、創立費・開業費・株式交付費・開発費に限られており、数年にわたって償却して費用化していきます。

負債

負債は会社が集めてきた資金のうち、銀行からの借入や支払手形など返済しなければいけないもので、流動負債と固定負債にわけることができます。貸借対照表上は、原則として早く返済すべき順に並んでいます。

流動負債は1年以内に返済しないといけないもので、支払手形や買掛金、未払金、短期借入金などがあります。
固定負債は1年を超えて返済するもので、社債や長期借入金などがあります。

純資産

純資産は負債と同じく会社が集めてきた資金ですが、負債とは異なり返済する必要がないもので、株主資本と株主資本以外に分けられます。
株主資本とは株主のお金が関係してくるもので、資本金・資本準備金・利益剰余金があります。
株主資本以外には新株予約権・評価差額金などがあります。

貸借対照表(BS)の見るべきポイント

貸借対照表にどのようなものが記載されているかはわかりましたが、たくさんあってどの部分を見ればいいのか分からなくなってしまいます。ここではいくつかの見るべきポイントをご紹介します。財務分析や経営分析とも呼ばれるものですが難しく考える必要はありません。簡単な計算だけで理解することができます。

自己資本比率

自己資本比率とは会社の全財産のうち返済しなくてもいいもの(純資産)がどれくらいあるのかを表した比率です。

自己資本比率(%)=純資産÷総資産(資産の総合計)×100

このように貸借対照表の右側だけで簡単に計算できます。
ではこの数字がどうして見るべきポイントなのか。それは自己資本比率が低いほど、返済すべき資金の割合が多く不安定と考えられ、逆に自己資本比率が高いほど経営は安定し倒産しにくい会社だと一般的には言われるからです。
自己資本比率がどれくらいであれば安定していると言えるのかですが、一般的には30%を上回っていれば健全な企業、50%を超えていれば優良企業と評価されます。
ただし業種によってばらつきがあるので、同じ業種の会社の自己資本比率をチェックしてみるのもいいかもしれません。

流動比率

流動比率は短期的な支払能力を判断するための指標です。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

この数値が低いほど、短期的に支払うべき負債に対して現金化しやすい資産が少ないことになり、短期的な支払能力が低いといえます。
一般的に流動比率は200%が理想で、100%以下だと資金繰りに不安があると考えられています。

当座比率

当座比率は流動比率と同様に短期的な支払い能力を判断するための指標です。
流動比率では流動資産を用いて計算しますが、流動資産には棚卸資産を含みます。もし商品が売れなかった場合を考慮に入れて、支払能力をチェックする必要があります。その場合には当座比率を用います。

当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100
  ※当座資産:流動資産のうち現金化しやすい、現金預金・売掛金・受取手形・短期保有有価証券など

当座比率は一般的に100%以上であることが望ましいと言われます。
もし流動比率が高いものの当座比率が低い場合には、過剰の在庫を抱えているなどの問題発見につながることもあります。

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貸借対照表(BS)はそもそも必要?

ここまで貸借対照表について見方のポイントを解説してきましたが、そもそも貸借対照表って必要なの?収支計画書だけ作成していればいいのではないかと思われる方もいるかもしれません。そのため最後に貸借対照表の必要性と役割についてみていきましょう。

収支計算書だけではわからないことがある。

収支計算書は現金の出入りを表すものです。そのため簿記などの知識がなくても容易に作成できます。ただ、会社の取引では収支計算書だけでは表しきれないものがたくさんあります。
例えば銀行から500万円の借入をし、100万円の機械を購入した場合、今年の収支計算書には「収入 500万円、支出 100万円」と記載されますが、来年以降の収支計画書には借入の金額や機械の情報がどこにも出てきません。

このように、収支計算書では会社が持っている資産や返済すべき借入の残高を表すことができません。ここで貸借対照表が必要になってきます。最初にも書きましたが貸借対照表にはある時点での会社の資産や負債の残高(財政状態)を表すという大切な役割があるのです。

銀行からの融資にも必要

銀行が融資をする際には、滞りなく返済してくれるかどうかをチェックします。規模に対して十分な現金を持っているか、担保になるようなものを持っているかなど。
貸借対照表には、そのような銀行が融資にあたって知りたい情報がすべて記載されています。これにより信頼感を与えることもでき、融資手続きがスムーズに進みます。

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まとめ

貸借対照表の見方がわかると、自社の財政状況が一目で把握できます。銀行からの融資にも必要ですし、会社の安定性や資金繰りに有用な情報を得られるため、ぜひとも貸借対照表と上手に付き合ってきましょう。

ただし、貸借対照表の作成には簿記の知識も必要ですし時間がかかります。
会計ソフトでは日々の取引だけで自動的に貸借対照表ができあがりますので、まだの方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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