お役立ち情報会社設立の基本知識!株式・合同(LLC)・合資・社団法人など法人格の違いについて学ぼう

2017.12.13


起業する上でまず検討しなければならないのは、「どういった形態で起業するのか」ということです。起業とはすなわち「会社を興す」ということですが、その会社にもいくつか種類があります。起業を視野に入れているのであれば、それぞれの会社の種類について違いを学び、実際に起業する際のイメージをより明確にしましょう。

「株式」「合同」…?会社設立前に意味を知っておくべき理由

起業すると、自分の興した会社がどういったものであるのか詳細で分かりやすい説明をしなければならない機会が増えます。しかしその前に、社会的信用や利益を得るために、事業の規模や形態、目的、構成員などに応じた法人格を適切に選ぶ必要があります。
そうした意味で「株式」や「合同」といった法人格の種類を正しく理解しておくことは起業家にとっての基礎知識であるといえるでしょう。

それぞれの違いとは?

法人格として一般的に認知されていることが多いのは「株式会社」や「合同会社」ですが、実は「社団法人」や「NPO」なども法人格の一種です。

法人格は大きく分けて「営利法人」と「非営利法人」の2種類に分類できます。営利法人には、株式会社、合同会社(LLC)、合資会社、合名会社の4つが当てはまります。一方、非営利法人には、社団法人、財団法人、特定非営利活動法人(NPO)の3つが当てはまります。またこの他に、有限責任事業組合(LLP)などの「組合」と呼ばれるものがあります。
この他にも、学校法人、独立行政法人、社会福祉法人などを含めると、30種類以上の多様な法人格があります。
今回はその中でも特に広く知られている8つについてご紹介します。

1.「株式会社」とは

株式会社は、一般から出資者を募って資金を集め、それを元手に事業を興す形態を指します。株式会社では、会社に対して出資する「株主」と、出資された財産を運用する人である「経営者」を分けて考えます。会社の重要な意思決定は、内部の人間である経営者たちではなく、株主総会に委ねられます。
設立は資本金1円以上から可能です。ただし、1円から設立できるとはいえ、資本金=その会社の信用度と見られる場合が多く、資本金が多ければ多いほど銀行融資などが受けやすくなります。
株式会社は、後に説明する合同会社などと比較すると、認知度が高く、社会的信用が得やすい法人格です。ただしその分、毎年決算の内容を官報などに掲載し広告しなければならないことや、代表取締役などの任期が原則2年間であることなど、手続きや手間、制約が多いのが特徴です。

設立する場合は、株式会社の規則などを定めた「定款」を公証役場に認証してもらい、その後、法務局へ設立登記の申請を行います。
出た利益は持ち株に応じて株主に分配します。例えば、1株所持者と100株所持者では、分配の割合も会社への権限の大きさも異なります。

2.「合同会社(LLC)」とは

合同会社の法人格は、比較的小規模の法人に適しています。2006年の会社法改正により生まれた比較的新しい法人格です。
万が一、会社が損失を出した場合、それを補填する仕組みには、出資分範囲のみ責任を負う「有限責任」と私財を投げ打ってでも全ての損失を補填する「無限責任」があります。合同会社は株式会社と同じく、有限責任社員で構成できるのが利点です。設立出資金も株式会社と同じく1円以上から可能です。

株式会社と比較すると知名度は高くありませんが、設立にかかる登録免許税などの費用が安いこと、年度決算の広告も不要なことがメリットとしてあります。
また、株式会社は持ち株に合わせて株主に利益を分配しなければなりませんが、合同会社の場合は、定款自治の自由度が高く、出資した金額に関係なく利益分配を自由に決定できます。例えば、会社への貢献度に合わせて分配を調整することもできます。

個人事業主や少人数で事業をおこなっていて、今後事業規模を拡大することを目指したり、法人格による社会的信用を得る必要があったりと法人格を取得したいと考える場合もあるでしょう。こうした小規模事業の場合、費用面や手間の面からすると、株式会社よりも合同会社を選ぶ方が、設立・運営のハードルは低いといえるかもしれません。

3.「合名会社」とは

合名会社は、無限責任社員だけで構成される会社です。よって、会社の損失が出た場合、社員が損失をカバーしなければなりません。
この次に説明する合資会社とは、設立時の資金・かかる費用、定款自治の自由度、決済広告の必要性など非常に似た仕組みを持つため、混同されがちですが、合名会社は損失に全ての責任を持つ無限責任社員1名から成立する一方、合資会社では、有限責任社員と無限責任社員の最低2名以上が必要となる違いがあります。

2017年現在、合名会社の法人格を使っている会社数は3,875社。株式会社数2,477,638社に比べると圧倒的に少なくなっています。かつて、株式会社で1000万円、有限会社で300万円の最低資本金規制があった頃、合名会社は資本金の必要なく始められる手軽さがありました。しかしその規制がなくなった現在は、資本金1円でかつ有限責任社員で始められる株式会社や合同会社が主流になりつつあります。

4.「合資会社」とは

合資会社は、無限責任社員と有限責任社員とで構成される会社形態です。特に無限責任社員は、会社の経営に携わり、損失が出た場合には債務を弁済します。合同会社、合名会社と同じく、株の所有と経営が一体となった持分会社の一種です。
設立に資本金は必要なく、決済広告も行いません。以前は株式会社よりも手軽に設立できることがメリットでしたが、合名会社と同じく、株式会社も資本金1円から設立できるようになった最近では、合資会社の会社数・設立数も減少しています。

5.「一般社団法人」とは

株式・合同・合名・合資会社が営利目的であるのに対して、一般社団法人は「非営利」の組織です。2名以上の社員が集まることが成立の要件です。登記だけで設立できるため、法人格の中では取得しやすい利点があります。
非営利といえども活動分野には特に制限がなく、利益を出して社員に給与を支払うこともできます。決済のみ必要で、情報公開の義務や所轄庁への事業報告の必要はありません。

サークルなどの任意団体を組織化したい場合や、学会・研究団体を法人化したい場合などに向いているといえます。

6.「一般財団法人」とは

一般社団法人の成立要件が社員の数であるのに対し、一般財団法人の成立は300万円以上の金銭・財産の拠出をおこなうことが条件です。にもかかわらず、設立時には理事3名、評議員3名、監事1名の計7名が最低必要人数であるため、最低2名から設立できる一般社団法人よりも、設立は難しいといえます。
設立時の財産に法人格を与え、拠出された財産を「非営利」目的で事業のために利用するという形態であるため、美術館や奨学金の給付団体などが一般財団法人の例として挙げられます。一般社団法人と同じく、活動分野の制限はありません。

7.「特定非営利活動法人(NPO)」とは

特定非営利活動法人(NPO)は、1998年に制定された特定非営利活動促進法に基づき、主にボランティア団体が取得する法人格です。
政府・自治体、企業などが扱いにくいニーズに対応する活動をおこなう組織として認識されています。NPOの設立には、約半年間の審査と最低でも10名の社員が必要です。設立費用がかかる一般社団法人に比べ、設立時の費用はかからないものの、設立までのハードルは決して低くありません。

決済や活動報告などを公開する義務はありますが、その分、法人格としての知名度はとても高いというメリットがあります。また、活動目的はまちづくり、子どもの健全育成、環境の保全など、指定する17分野に限られています。

8.「有限責任事業組合(LLP)」とは

有限責任事業組合(LLP)は、多様な形態で共同事業をおこなうための事業組合のことを指します。同業種・異業種間や企業間による連携、専門技能を持つ人材による連携などが例として挙げられます。

第一の特徴は、組合員全員が有限責任だという点です。組合員は、出資額の範囲にのみ債権者に対して責任を負います。また、損益分配や権限配分は出資金額の比率とは異なる分配ができるなど、内部の自治が徹底できます。さらにLLP自体には課税されず、 実際は利益の分配を受けた組合員に課税されます(構成員課税の適用)。

起業家を目指すなら、法人格の違いを知って経営に活かそう

現在、法人格は30種類以上にも上り、その中から各会社や団体がそれぞれの業務・活動形態に合わせた法人格を取得しています。
起業家になることを考え始めたら、まずはそれぞれの法人格の違いやメリット・デメリットを学び、自分の会社にはどの法人格が適しているのかを見極めましょう


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