お役立ち情報居酒屋やカフェ等の飲食店を開業するまでにするべき7つの起業準備

2018.01.15


はじめに

起業というと、何らかの会社を立ち上げるということをイメージする人も多いかもしれませんが、実は居酒屋やカフェなどの飲食店を開業するのも、起業の一つです。味が勝敗を大きく分けるレストランなどとは違って、居酒屋やカフェは飲食業界の中で参入のハードルが比較的低いとされています。とはいえ、すぐに企画してすぐに事業化できるものでもありませんので、飲食店の開業には、綿密な起業準備が必要です。

▼目次

居酒屋やカフェなどの開業時に必要な起業準備とは?


居酒屋やカフェなどの飲食店を開業するに当たっては、多くの検討事項と手順が必要です。たとえば、お店の出店場所、提供するメニュー、お店のPR方法、従業員の雇用・・・などいまあげただけでもさまざまです。

起業準備は大まかに分けて、店のこと全体を計画する「事業計画」、開店資金や運転資金などを調達する「資金調達」、改修工事をしたり、中の什器などを準備したりといった「店舗準備」、チラシやHPなどで集客を行う「宣伝」などに分かれます。これらをさらにタスクに細分化して、一つ一つ準備をしていきます。

飲食店開業の流れ


ひとつの飲食店が晴れてオープンするまでにかかる時間の目安は、早くても半年から平均して1年くらいだと言われています。

12ヶ月前から開店準備を始めたとして、まず始めに行うのは店舗のコンセプト設計です。どのような場所で、どのような食べ物を、どんな雰囲気の中で提供したいのか。客単価や回転率なども含めて、なるべく詳細に事業計画を立てていく必要があります。

コンセプト通りの物件にはなかなか出会えないため、物件探しはなるべく早い段階から始めておきます。ただし、その前にコンセプトを固め、収益シミュレーションを行い、月々の家賃にどれくらい費用を割けるのかを明確にしておくことを忘れないようにしましょう。

オープン6ヶ月前くらいまでには、物件を契約しておきます。資金調達がまだの場合は「仮契約」を結びます。また銀行から融資を受ける場合には、自分が立てた創業計画を作成します。

そしてオープン4ヶ月前には建築確認申請をし、3ヶ月前には改修工事を実施します。2ヶ月前頃には、スタッフを募集しておきましょう。オープン1ヶ月前にはいよいよ保健所への営業許可申請や保健所の立ち入り検査などを行い、営業開始に向けての最終調整段階に入ります。ここまでくると開店準備でなにかとバタバタするでしょうが、HPやチラシなどでの集客も忘れないように準備しはじめていきます。

以下では、これらの手順の中でも特に重要な準備を詳しく見ていきます。

1.事業計画を綿密に練る

まずは事業計画を組みます。そのお店の内容として、「立地」、「提供する食事内容」、「雰囲気」、「ターゲット層」、「時間」、「客単価」、「回転率」などをイメージし始めます。

個人のお店は、オーナーや店長のカラーが出せる一方、経営面での不安も付き物です。個人で始める場合のリスクや手間などを考えて「フランチャイズ契約」という選択肢をとるのかはこの段階で考えておきましょう。

一から自分で計画する場合、従業員の数や店舗の規模、出すメニューの単価などにも自由度が高いため、かかるコストを鑑みた上で、確実に利益を出すためにはどうすれば良いのかを順に考えていきます。自分のイメージする店舗像と似たお店を参考にすることも役に立つでしょう。

2.物件とコンセプトを決める

開店12ヶ月〜10ヶ月前までに、お店のコンセプトをはっきりと決めます。どんな場所で、どんな食べ物を、どんな風に提供したいのか。顧客の層や立地を考慮しながら固めていきます。

例えば、回転率をあげてかつ利益をあげたいのなら、物件はそれなりに規模の大きい場所が必要になりますし、雰囲気や味重視、隠れ家的存在のお店にしたいなら、大通りから1本逸れた物件で家賃を抑え、内装はしっかりこだわる方が良いでしょう。このように、コンセプト決定と物件探しは、とても密接な関係にあります。

こうしたお店のハード面を少しでも簡単・低予算で仕上げるのであれば、「居抜き物件」を検討するのも一つの方法です。居抜き物件なら改修は小規模で済みますし、新たに家具などを揃える手間もありません。また、2階にある物件は1階にある物件に比べて外から顧客が訪れにくいため、総じて家賃は安くなります。立地面での集客効果は多少薄れてはしまいますが、HPなどの宣伝で補っていくことができれば、十分に魅力的な選択肢です。

物件探しの際に忘れずにしておくべきなのが、店舗周辺の環境の調査です。客層や競合店、そのエリアで人気の店などを予め調査します。場合によっては、物件や周辺環境次第でコンセプトを再度見直したりして、より収益が見込める方向に調整していきます。

ここで注意しておきたいのが、深夜営業の有無です。深夜営業は「住居地域」の範囲内では許可が降りません。0時以降の営業を視野にいれているのなら、商業地域で店舗を探しましょう。

3.資金調達、借り入れはどうする?助成金や開業支援も

飲食店を開業するには、ある程度まとまった資金が必要です。お店1軒構えるのに必要な資金は約600万円前後といわれています。

ではその資金をどこから集めるのでしょうか。開業資金は、自分でコツコツと働きながら地道に貯める人もいれば、銀行などで融資を受けたり、補助金などを積極的に活用したりする人もいます。

「銀行で融資」と言っても、まだまだ事業実績のない事業者に、銀行からの融資はなかなかおりません。個人で新規に飲食事業を始める場合、実際には政府系の金融機関である「日本政策金融公庫」からの融資で資金を調達するケースが大半です。

一般的には、開業資金の3分の1を自己資金で賄い、残りの3分の2を金融機関からの借り入れなどで調達する事業者が多いようです。

また、「創業補助金」など創業に関する補助金や助成金なども要チェックです。自治体によって条件などは異なる場合がありますが、少額でも開業資金の足しになるため、調べてみる価値は大いにあるでしょう。
例えば従業員を雇用する場合、人件費やマッチングがネックとなりますが、キャリアアップ助成金やトライアル雇用助成金などを活用して、初期の負担を少なくする方法もあります。

4.開業に必要な資格をチェック・取得

飲食店の開業に必要なのは「食品衛生責任者」です。ちなみに「調理師」は必須項目ではありません。

「食品衛生責任者」については、各都道府県で開催している講習会を受講します。受講費は1万円程度かかりますが、受講自体はほとんどの場合1日で済みます。すでに栄養士や調理師などの資格を所有している人であれば、講習なしで「食品衛生責任者」なることも可能です。

また、店舗の収容人数が30人以上の場合は、「防火管理者」が必要となります。これは客の席数が30席以上あるかどうかではなく、スタッフも含めての数となる点に注意が必要です。

5.店舗の改修や整備などハード面を作る

物件を契約したら、次に改修工事に入ります。信頼できる施工業者と綿密に打ち合わせをしましょう。

店舗改修のためには、内装や外の看板のテイスト、調理施設の性能や動線などを明確にしておかなければなりません。どこにどれほど資金を充てるのか、物件契約と同じく大きなお金が動く箇所のため、堅実かつ着実に検討しましょう。ここで、最初に立てた事業計画やコンセプトが明確なほど、お金をかけるべきところ・大切にすべき場所などが分かるので、事業計画やコンセプトが役に立ってきます。資金をかければかけるほど、良質な店舗が出来上がるかもしれませんが、その分、後に使える資金は減ってしまいますし、使える資金にも限りがあります。逆に、何でも中古品などを入れたり、設備投資を節約しすぎたりすると、コンセプトと大きく異なってしまう可能性や後々使い勝手の悪い店舗になってしまう恐れもあります。

たとえば、「ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気でワインが飲めるお店」がコンセプトだったとして、顧客が座るソファを高額なソファではなく固い素材の安価なソファで済ましてしまうと、コンセプトとズレが生じます。コンセプトから逆算して、その店で優先順位の高いものから資金を充てていきましょう。

6.メニューを決める

オープン3〜4ヶ月前の店舗の改修工事などと並行して、実際にお店で出すメニューを考えます。

特に居酒屋の場合は、飲料の利益が大きいため、「どんなお酒をどれくらい仕入れるのか」「そのお酒に合う料理が何なのか」など、お酒と料理の相乗効果も念頭にいれて考えましょう。

看板メニューは、お客様が来店する動機付けの一つとなるものです。お店の独自性をアピールしつつ、コンセプトに合致したものを設定します。想定される客層に合わせて、味や見た目、値段などを設定するのもポイントです。

また、原価や原価率などを計算して、それぞれのメニューによってどれくらいの利益出るのか、どんなメニューの組み合わせが考えられ、1組の顧客当たりどれくらいの利益が出そうかなどを考えつつメニュー開発を行っていきます。メニューの大半が決まったら、仕入れ先も決定しておきましょう。

7.保健所などに申請

店の改修が順調に進み、開店の具体的なイメージがつき始めるオープン2ヶ月前頃。いよいよ管轄の保健所などに営業許可を申請します。この「食品営業許可申請」を出した後、保健所の検査を経て許可が降りれば、晴れて出店することができます。

ちなみに保健所は衛生面を主としてチェックします。改修工事の前に事前相談として図面を持参して見せておくと、もし衛生面で問題がある場合はアドバイスを受けることができるので、オープン直前になって問題が発覚し営業許可が降りないという事態を避けることができます。

また、深夜0時以降も酒類を提供する居酒屋として営業するのであれば、営業開始の10日前までに警察署に「深夜酒類提供飲食店営業許可」を申請します。申請には、店舗の図面や事業者の住民票、保健所の営業許可書などが必要です。昼間はカフェで、夜はバーとして経営する場合も同様の申請が必要となりますので、この手順を忘れないようにしましょう。

この他にも、個人事業主として事業を開始するにあたっては、税務署に開業届を提出します。従業員を雇う場合には、公共職業安定所で雇用保険加入の手続きを行い、労働基準監督署で労災保険の加入の手続きをする必要があります。

お客様が口にするものの商売。だからこそ全ての準備を丁寧に


飲食店の開業準備は、やることすべきことがとても多いといわれます。事業計画を練るところから出店まで約1年を要することを考えると、確かにとても大変です。ただ、飲食店は食事を提供する場所。多くの人が口に入れるものを提供する場所だからこそ、実際に出す食事だけでなく、衛生面やお店の品質にもこだわり、そして何よりお客様に「もう一度この店に来たい」と思ってもらい、実際にリピーターとなってもらえるよう、オープンまでの全ての工程を丁寧におこなっていきましょう。


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