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個人事業主と会社設立、どちらがおすすめ?メリットとデメリットを確認しよう

今は誰でもカンタンにビジネスを始められる時代です。

しかし、事業を始めるときに頭を悩ませるのが「個人事業主」として開業するか、それとも「会社を設立」して起業をするかです。

 

会社設立に伴うコストを考えると個人事業主のほうがお得でも、法人のほうが社会的信用が高いため融資を受けやすいなど、それぞれメリット・デメリットがあります。

 

本記事では、これから独立を考えている方を対象に、個人事業主と会社設立の違い、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

 

ぜひ、これから起業しようと考えている方は参考にしてください。

この記事はこんな方におすすめです
  • 起業、独立を考えている人
  • 個人事業主と会社設立で迷っている人
  • 個人事業主と会社設立のメリットとデメリットを調べている人

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目次

個人事業主と会社設立は何が違う?

個人事業主と会社設立の違い

個人事業主と会社設立の違いを話す前に、皆さんは個人事業主と会社設立がどういったものかご存知でしょうか。そもそもよくわかってないという方もいるかもしれません。


まずは、個人事業主と会社設立について簡単に解説します。

個人事業主と会社設立について

個人事業主とは

株式会社などの法人を設立せずに「個人で事業を行っている人」のことを指し、税務署に開業届を提出すれば個人事業主になることができます。


たとえば、飲食店や美容院のオーナー、弁護士や税理士などの士業で独立している方が個人事業主として挙げられます。


個人事業主は、会社組織に属さず事業を行うのが特徴で、名前に「個人」と付いているため誤解されやすいですが、必ずしも自分1人で事業を継続する必要はなく、従業員を雇うこともできます。

会社ではないので、「株式会社」、「合同会社」などは名前に付きません。

「◯◯屋」など屋号と呼ばれる名前を付けて事業を行うこともできますが、屋号は事業を開始してある程度経ってから決めることも可能です。


会社設立とは

個人事業主とは違って法人設立(株式会社や合同会社など)をすることです。法人を作るには法務局への登記が必要となります。
一般的に起業や自分で事業を始めると聞くと、会社を設立することだとイメージする方が多いと思います。


2006年の新会社法により、現在新設できる会社の種類は「株式会社、合同会社、合資会社、合名会社」の4種類です。

起業当初は個人事業主として事業を行い、軌道に乗ってきた段階で法人化して会社設立する人も多いです。

 

 

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個人事業主と会社設立の5つの違い

個人事業主と会社設立の違いは、簡単に言ってしまえば法人設立するかどうかです。


しかし、法人設立するかどうかの違いのほかにも、個人事業主と会社設立では大きく5つの違いがあります。

  1. 開業手続き
  2. 課せられる税金
  3. 経費の範囲
  4. 起業にかかる費用
  5. 社会的信用

それでは、5つの違いについてひとつひとつ解説していきます。

①開業手続き

個人事業主と会社設立は、当たり前のことですが開業時の手続きが異なります。

 

個人事業主は基本的に「開業届、青色申告承認申請書」を税務署に提出します。


個人事業主の開業に関連する主な書類

  • 開業届
  • 青色申告承認申請書
  • 都道府県税事務所へ提出する開業に関する書類
  • 青色事業専従者給与に関する届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

開業届に関する記事は以下をご確認ください。

開業届とは?個人事業主は提出義務がある?


会社設立は、個人事業主とは違い、さまざまな手続きが必要となります。

中でも法務局に対して行う「法人登記」がとても重要です。法人登記は法律で義務付けられているため、会社を設立する場合は必ず行う必要があります。

 

個人事業主の場合は、法人のように法務局に登記などをする必要がありません。

 

 

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②課せられる税金

個人事業主
  • 所得税
  • 個人住民税
  • 消費税
  • 個人事業税
法人
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 消費税
  • 法人事業税

個人事業主に課せられる所得税は累進課税で、課税対象額が増えるほど税率が上がります。そのため控除は少なくなります。


法人税は、法人の所得に対して課せられる国税で、法人の種類や資本金額、年間所得金額で税率が変動します。


注意点
  • 赤字になった場合、個人事業主は所得税や個人住民税が免除されるが、法人の場合は必ず法人税が発生します。

③経費の範囲

まず、経費とは「事業を行うために使用した費用」のことです。

 

個人事業主は経費に上限がなく、事業に関わる支出であれば経費として計上できます。
売上規模に対して出費の額が極端に大きいなど、妥当性に欠ける場合は税務調査の対象になる可能性があります。

 

法人は個人事業主が計上できる経費に加え、給与や賞与、退職金なども経費として計上することが可能です。
事業と関連のないもの、未使用の事務用品、法人税などは経費にできないので、経費にできない費用もしっかりと把握しておきましょう。

 

個人事業主よりも法人のほうが、節税効果が高いです。

 

 

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④起業にかかる費用

個人事業主は、申請手続きでお伝えした「開業届、青色申告承認申請書」の提出に費用はかかりません。

 

法人の場合、株式会社と合同会社でかかる費用が異なります。
株式会社設立であれば、最低20~25万は用意する必要があり、合同会社設立は最低でも10万用意する必要があります。

 

 

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⑤社会的信用

個人事業主は開業・廃業が簡単に行えるため、対外的な信用・イメージは法人と比べて低く、大企業のなかには個人事業主との取引を避けるケースもあります。

 

逆に法人は会社法などの法律に基づいてより厳格に運営されるため、社会的信用を得やすく、金融機関から融資を受ける際、社会的な信用の高さから審査に通りやすいです。

 

取引先の開拓や、事業拡大のために金融機関から融資を受ける際などは、個人事業主より法人のほうが有利と言えます。


個人事業主のメリットとデメリット

個人事業主メリットデメリット

 

次に、個人事業主のメリットとデメリットを見ていきましょう。

個人事業主のメリット

個人事業主メリット

 

個人事業主の最も大きなメリットは、「手軽に事業を始められる」ことです。

 

個人事業主になるためには、会社を設立する際に必須となる登記申請などの手続きが必要なく、開業届を提出するだけで、すぐに個人事業主を名乗れます。

開業届提出には費用がかからないため、簡単に起業できることが何よりのメリットと言えます。

 

また、会計処理が法人よりも容易にできることも個人事業主の魅力です。個人事業主の確定申告では1年間の事業の収支を計算し、所得税額を算出します。

 

会社では会計処理を税理士に依頼するのが一般的ですが、個人事業主の場合は適宜会計ソフトなどを使って自分で行うことが可能です。

 

複式簿記の最低限の知識は必要ですが、日々の帳簿付けを怠らなければ、自力で申告できるのがメリットといえるでしょう。

 

さらに、個人事業主は法人よりも社会保険負担が低額です。また、利益に応じて所得税の金額が決定されるため、利益が少なければ税金の負担も少なくて済みます。

 

法人の場合は法人住民税というものがかかるため、赤字であったとしても税金がかかるのです。

個人事業主のデメリット

個人事業主デメリット

 

一方、個人事業主にもいくつかのデメリットがあります。

 

最大のデメリットは「社会的な信用が低い」ことでしょう。個人事業主は法人に比べて社会的信用が低く、銀行からの融資を受けづらかったり、クレジットカードの審査に通りにくかったりします。

 

また、会社によっては法人としか取引しないというところもあるため、信用面では法人に大きく劣るといえるでしょう。

 

個人事業主は「無限責任」です。法人は「有限責任」なので、事業が失敗して負債が残ったとしても、経営者個人に返済義務は発生しません。

 

しかし、個人事業主は負債を全額弁済しなければならないため、個人の財産を弁済に充てなければならない場合があります。

 

個人事業主は失敗したときの責任が法人以上に重いと言えます。

 

さらに、所得が多いとそれだけ所得税の納税額が増えるのもデメリットです。

個人事業主の所得税は累進課税で、所得が増えれば増えるほど税率は上がっていきます。

 

法人税は800万円を境に税率が変わるだけで、個人事業主ほど大幅に上がりません。

所得が多くなった個人事業主の多くが法人化して会社設立するのはこのためです。

会社設立のメリットとデメリット

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続いて、会社設立のメリットとデメリットを見ていきましょう。

会社設立のメリット

会社設立のメリット

 

会社設立の大きなメリットは、「社会的信用が高い」ことです。事業に関わる営業や採用活動時には、個人事業主よりも法人の方が良い印象を与えることができます。

 

また、信頼性が高いため、銀行からの融資も受けやすく、取引先に安心感を与えることもできます。

 

会社を設立した場合、個人事業主よりも節税手段が増えるのがメリットです。自分に掛かる生命保険や家族に支払う退職金などが経費として認められるようになるなど、経費の幅が広がります。

 

そして、個人事業主が赤字を繰り越して控除できるのが3年であるのに対し、法人は7年間繰り越して控除できます。

 

法人の税制面でのメリットとしては、累進性も挙げられます。法人税は個人事業主にかかる所得税と異なり税率が一定です。

 

そのため、所得が今後上昇していくとわかっているのであれば、年間所得が500万円をコンスタントに超えるようになった段階で法人化する方がお得になります。

その他にも、株式の増資による資金調達が可能になったり、決算月を自由に決められたりといったメリットもあります。

 

責任が有限であり、失敗したときのリスクが少ないことも法人ならではのメリットとい言えます。

会社設立のデメリット

会社設立のデメリット

 

会社設立のデメリットとしては、設立時に費用と手間がかかることが挙げられます。

開業届を出せば手続きが完了する個人事業主とは異なり、会社を設立するためには登記申請が必要です。

 

必要な書類数は膨大で提出先も多岐に渡ります。手間だけでなく費用もかかるため、事業を始めるためのハードルが高いです。

 

利益がなければ支払う税金もない個人事業主とは違い、法人は存在するだけで税金がかかります。これは法人住民税と呼ばれるもので、売上が赤字であっても毎年7万円支払う必要があります。

 

会社設立をすると社会保険への加入が義務付けられ、負担が大きいのもデメリットと言えます。

 

また、個人事業主のように自力で会計処理を済ませることは難しいです。

会社法に則って適切に行わなければならないため、税理士に相談する必要性も出てきます。

まとめ

個人事業主と会社設立は、どちらがより優れているというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。

 

個人事業主は、会社設立よりも手続きがカンタンですが、社会的信用が低いという面もあったります。もちろん、今後やろうとしている事業によっては、会社を設立するよりも個人事業主として始めたほうがいい場合などもあります。

 

本記事でお伝えしている、メリットとデメリットだけではなく、それぞれの特徴をしっかりと把握した上で、自身が行いたいと考えている事業の規模や売上見込などに応じて、最適な方を選択しましょう。

 

 

 

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